九条先輩の甘い溺愛

噂の広がりはとても早く、なんとなくは予想していたけど次の日学園では先輩が御曹司であることが大きな話題になっていた。



「イケメンで、勉強もできて御曹司とか超最高なステータスじゃない!?」


「しかも超大手の会社の息子だってよ」



先輩のいいところはもっとあるのに……。

なんだかモヤっとした気持ちを抑えながら廊下を歩いていると、数人の女子に呼び止められた。



「あんた、九条先輩が御曹司ってわかって近づいたんじゃないの」


「花音ばっかり認められて悔しかったのかしら。醜い嫉妬ね」



この現状とも向き合わなければいけないんだろう。
ただ今は、花音と話をしなくちゃいけない。



「花音はどこ」


「はぁ!?人の話無視してんじゃないわよ!」



叩かれる……!

そう思って目をつぶるといつまでたってもその衝撃は来なかった。



「なにしてるの」


「花音!?私はただっ、あなたのことを思って」


「じゃあ今すぐ帰りなさい。それが私のためになるわ」



花音……。
なんで助けたの……?



「少し話をしましょう」