九条先輩の甘い溺愛


「そうだ、乙葉。改修工事が少し早く終わるらしい」


「あっ、そうなんですね……」



つまりもう先輩とは2週間も一緒にはいれないってことか……。



「ふはっ、あからさまに落ち込んでるな。そんなに俺の部屋好きだった?」


「……なんか落ち着く感じがするというか……って変なこと言いました忘れてください」


「あははっ、またいつでもおいで。待ってるから。と言っても、乙葉の部屋使えなくなるって話だけど」



えっ!?



「待ってください、それどういうことですか?」



私の部屋が使えない?じゃあ、私どこに帰れば……。



「工事の影響らしいけど、俺も女子寮についてはよく知らないから詳しくはって感じ。だから俺の隣の部屋用意したんだけど、どう?」


「でも男子寮は女子禁制じゃないですか?」


「あぁ、俺が男子寮女子寮とも別の新しい場所に作ったんだよ。セキュリティーとか色々強化しなくちゃいけなくてな」



先輩にはいろいろと謎が多いと思う。
資金源とか、学校側に新しい部屋を作らせるとか普通の生徒にできるとは思えない。



「聞きたいけど、聞かないでおこうって顔してる。……いいよ。ちゃんと話そう」