九条先輩の甘い溺愛


「眠いからです……!わっ、私はソファで寝るので!」



本当のことなんて言うわけないでしょ!
急いで先輩から離れようとした瞬間、周りが急に明るくなり思わず手で顔を覆った。


まぶし……!



「俺と一緒に寝るの、嫌じゃないんだろ?」


「あれはっ、勢いと言いますか……」



先輩の声が耳のすぐ横から聞こえるせいで、心臓の音が今まで聞いたことのないほど大きく鳴っている。



「悪女がどうとか言われてる花宮が、こんなに可愛いって知ったらみんな驚くだろうね」



私の髪の毛を耳にかけながら、そうつぶやく。


姉をいじめる行動をしてさえいれば、お父様に告げ口されることもないから。でも、先輩の前では本当の自分でありたい。



「知れるのは先輩だけですよ」



少しだけ意地悪の気持ちと、本心を混ぜて。