九条先輩の甘い溺愛

自分の心臓がバクバクと速く動いているのがわかる。
今部屋が暗くて本当に良かった。今だけは顔を見られたくない。



「いったん電気付けるぞ……ってなに?どうした?」



思わず止めちゃったけどなんて言えばいいんだろう。
今変な顔してるからつけないで欲しいなんて、意味が分からない理由を話すのは絶対に無理。


暗いのが怖いとか……?
実際暗い部屋は苦手だけど、寝るときとかそういうのは別に平気だし……。


でも今は理由がこれくらいしか思いつかない。
私は意を決して口を開いた。



「く、暗いの苦手なので……」


「じゃあ電気付けないとだろ」


「えっとそうじゃ、なくてですね……」


やばいどうしよう。言い訳が見つからない。
こんな時に限って頭がうまく回らない。


慌てている私の声で何かに気づいたのか、クスっと笑ってまたしゃがみこんだ。



「本当の理由は?流石にわかりやすすぎるぞ」