九条先輩の甘い溺愛

「お父さんの許可なしで外に出ようってこと」


「でもバレたら……」


「そこは俺がなんとかできるから。外に出てみたくない?」



お父様にバレたらきっと怒られる。謹慎処分じゃすまないかもしれない。
もしかしたら学校退学もあり得る……。

でも、あの美術の時間の時連れ出してくれた時、初めて自由を感じた気がした。


何も気にしないで笑えた気がした。



「出てみたいです……。外に行きたいです、先輩と!」


「ははっ、そうこなくちゃな。じゃあ、連休の一日俺に頂戴?」


「は、はい……!」



私も前に進まなきゃ。自分から変わっていかないと……!



「さっき言ってた言葉で考えると外に出るより、俺と外に行きたいって捉えていいのかな?」



少し首を傾けながら、意地悪そうで少し余裕のある笑みを向ける。



「っ……!お、お好きにどうぞ!」