九条先輩の甘い溺愛

先輩と保健室の先生がちょうど入れ替わりで部屋に入ってきた。



「あら、目が覚めたのね。体調はどうかしら」


「大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」


「気にしなくてもいいのよ。いつでもここにいらっしゃい」



先生は……私の噂を知らないんだろうか。知ってて知らないフリをしている?
先生と目が合うとにっこりと微笑まれた。


読めない先生だな……。



「あ、そう言えば。花宮さんの寮部屋ってどこだったかしら」


「えっと、2棟1階の角部屋ですかね」


「確かそこ、今度工事が入るって言ってたわよ?その間は誰かしらと相部屋で過ごしてくださいって書類が……あ、そうこれこれ」



先生が机の引き出しから一枚の紙を取り出して、私に見せてくれた。




「女子寮2棟の大規模工事……」


「元から建物が古かったから、改装工事とか地震対策とか色々やるらしいの」