九条先輩の甘い溺愛

【Side透】


「ねぇ、知ってる?新入生の双子。どっちもすごい美人なのに、妹が姉をいじめてるらしいよ」


「ふーん」


「もー、もう少し興味持ったら?」


「興味ないんだから仕方ないだろ」



入学当初からよく俺のクラスでも騒がれていた美人姉妹。俺にとってはどうでもよかった。
顔で全てを判断されるのはいい気がしない。俺に告白してくる女子たちは全員俺をステータスとしか見ていないから。
ただ、俺の中身を知ってほしかっただけなんだ。


だからなんとなく、その双子に同情した。
それから数ヶ月が経って、偶然その妹を見かけた。


噂とは程遠い気の弱そうな雰囲気。なにかに怯えているような、そんな感じ。噂を流している奴らもこれに気が付かないとは目がくらんでいるのか。そんな姿を見て、ふと興味がわいた。