九条先輩の甘い溺愛

「先輩、笑いすぎですよ」


「ごめっ……ふっ……あははっ!」



この人ゲラか何かだったりする?
私がドン引きしだしたのに気が付いたのか必死に笑いをこらえ出した。



「ふふっ、あははっ……その表情笑っちゃうんでやめてください……っ」



先輩が必死に笑いをこらえてる表情がなんとも言えなくて思わず笑ってしまう。
今まで曇り続けてきた空が一気に晴れるような、そんな感じ。今までで一番ちゃんと笑えてる。



「……やっぱり笑ってる方が可愛いよ」


「先輩、今何か言いました?」


「いや?何も言ってないよ」



何か喋ってたような気がするんだけど……。笑いすぎで空耳聞こえるようになったのかな。



「そうだ。昨日手当てしたけど、捻挫大丈夫そう?」


「そこまでひどくないので、ゆっくりなら歩けます」


「もし急ぎの用事とかあったら、俺がまた運んであげるよ」



意地悪な微笑みで見つめられて思わず、昨日のことを思い出す。
脅されて運ばれたようなものだけど……。やっぱり重かったかな?



「あれ、断らないってことはOKってこと?」


「もう恥ずかしいので断らせていただきますっ!!」