九条先輩の甘い溺愛

先輩に会いたいと思ったわけではないけど、私は裏庭に久しぶりに足を踏み入れた。


先輩と出会った場所。最初は木の上から飛び降りてきてかなりびっくりしたけど。
喋るときかなり冷たく接してたから今更ながらに申し訳なさでいっぱい。


私と関わろうとしてくる人なんて居なかったし、どう接すればいいかわからなかった。って言ったら言い訳になるかな。
先輩と話すようになってから私自身も変われてる気がする。


こうありたいと思える姿で過ごしてみたい。話してみたい。



「なんだか楽しそうだね?」



「先輩……!」



一人でにこにこしてるとこ見られた……よね。
そのことに気づいてから恥ずかしさで頭がいっぱいになって思わず口が動く。



「いやっ、別に一人で笑ってたわけじゃないんですよ?私は一人でしたけど、でも!そうじゃなくって……!」


「あはっ、はははっ!わかってるって、そう慌てるなよ」



私の慌てようがよほど面白いのかお腹を抱えてしばらく笑っていた。
前もこんなことあったような……。