九条先輩の甘い溺愛

ピピッピピッ……


アラームの音が鳴り響いて目が覚める。
あの後すぐ寝ちゃったのか。


まだ寝ぼけてる意識の中、ふと部屋を見渡す。先輩はいるわけない。
わかってるのになんだか寂しい。そんな考えが頭の中で渦巻いて平日であることをすっかり忘れてしまった。



「やばい!そろそろ行かないと」



流石に遅刻はまずい……!
いつもは言わないけどなぜか今日はこの言葉がすっとでる。



「行ってきます」



もちろん声は返ってこないけどね。


それでも私の気持ちは軽やかだった。