九条先輩の甘い溺愛

「さぁ、今日はもう寝な。疲れただろ?」


「遅くまですみません、本当に」


「謝りすぎ。俺が欲しいのはありがとうの方なんだけど?」


「……助けてくださってありがとうございます」



満足気な表情を見せると、もう遅いからと部屋を出ていった。
独りで良いと思っていたけど、先輩は私を信じてくれてた。



「先輩の隣にはいたいな……」



ぽそっとこぼれたその声がすべてを表しているような感じがした。
先輩のことを信じてみても……いいのかな?


人と関わることもなく過ごしてきた分、人を信用するのが怖いと思ってしまう自分がいたけど……。




――信じてみたい、一緒にいたい。そう思ってしまったんだ。