九条先輩の甘い溺愛

「部屋入るよ?」


「はい、すみません本当に」



私をベッドに座らせると、捻った個所に手早く湿布を貼ってくれた。
先輩にこんなことやらせるなんて……。



「さて、怪我の処置も終わったし、俺を避けてた理由でも聞こうかな?」



私の前にしゃがんだままにっこりと微笑む。
これは正直に言わないと怒られるやつ……。


先輩の表情に気圧され、正直にすべてを話した。



「紅茶の件は君のお姉さんが関わってたのか……」


「本当にすみません。私のせいで……」


「今は全然元気だし、気にすることは無いよ。それに君を嫌うなんてそんなこと絶対ない」


「でも私、姉のこと突き飛ばしましたし……」


「そんなことで嫌うわけないだろ?」



私の不安な気持ちを取り払うかのように先輩は話してくれた。
会わないって決めたはずなのに先輩と一緒にいるとすごく安心してしまう自分がいる。



「それと君とお姉さんのあの衝突が起きたとき、君がいなくなった後俺があの女子たちを殴りかけたんだよね……」


「え……!?」



驚いて先輩の顔を見ると、やらかしたと言わんばかりの表情で笑っていた。
実際は殴ろうとして彼女たちに近づいたところで先生がきて、何事もなかったみたいだけど……。



「もうこんなことしないでくださいね!?先輩が退学になったら申し訳なさで切腹しますよ?」


「流石に切腹は早まりす……すみません」



私の怒りの表情に気づくと素直に謝って、シュンとしていた。