九条先輩の甘い溺愛

体育倉庫に入ると、そこには先生ではなく花音の取り巻きが数人立って待っていた。
クスクスと笑いだすと、一人の女子が馬鹿にしたような表情で私を見る。



「あんたもまんまと引っかかるわよね。馬鹿すぎるんじゃない?」


「何の用ですか」


「……私はなんでもできますよーって言うその口ぶりがムカつくのよ。花音に手を出したんだから罰は受けるべきよね?」



話しかけてきた女子が私を突き飛ばす。



「痛っ……!」



かなり強い力で突き飛ばされたせいで、足を捻ってしまった。足をさすっていると、体育倉庫の扉がガタンとしまる。
まさか閉じ込める気…!?



「あっはは!お似合いねとっても」


「そこで反省してなよ。待ってれば誰かしら助けてくれるかもよ?」


「いやいや、こんな女誰も助けないよ」


「じゃあ、ばいばい。乙葉さん」



彼女達の声が聞こえなくなり、一気に周りが静かになる。
足を捻ったせいで、上の窓からも出れない。


スマホももってきてないのに……。まぁ、電話かける相手いないから意味もないけど。
どうしようかな……。