九条先輩の甘い溺愛

「部屋入りますよ、先輩」



先輩の部屋はきれいに整頓されていて、シンプルな造りだった。



「保健室の先生を呼ぶついでに、薬を買ってきますね!」



先輩をベッドに寝かせて、部屋を出ようとしたとき足に何かが当たった。
手紙……?この紙の模様……見覚えがある。花宮家でよく使用されている便箋だわ!



「まさかお父様が何か先輩にしたんじゃ……!」



先輩ごめんなさい、読ませてもらいます。
手の震えを抑えながら裏面を見る。


――九条透様
最上級の仕上がりとなった今年の茶葉をお贈りいたします。ご感想をお待ちしております。
飲み過ぎるとあまり良くないですが少量であれば良薬となるそうです。



「これ、私名義になってる……!」



花音がお父様に頼んだんだわ……。今すぐ先生を呼ばないと!
急いで部屋を出て必死に走り続けた。


お願い、重症になりませんように……!