九条先輩の甘い溺愛

「乙葉、ここ座って」



先輩の前に座ると後ろからぎゅっと抱きしめられる。



「今日はなんか企んでるなーって思ったけど俺のためだよね?」


「先輩が全然ドキドキしてくれないんですもん」



私みたいに顔が赤くなってるときなんて全然ないし。



「俺の心臓の音聞く?」



そうやって私の手を取ると、自分の胸に当てた。



「俺乙葉と一緒にいるときいっつもドキドキしてる。顔には出さないけど、出したらなんかかっこ悪いじゃん?」



かっこ悪いって理由で、いつも顔に出さなかったなんて……。



「先輩それ言ったら意味ないじゃないですか」


「ははっ、それもそう。でも乙葉といるとちゃんとドキドキしてるって知ってほしくてさ」



なんだか嬉しくて、先輩の方を向きなおす。



「先輩、私のことを見つけてくれてありがとうございます、好きって言ってくれてありがとうございます!ずっとずっと大好きです」



そう言って先輩にキスをする。先輩が黙ったままで心配になり、顔をのぞく。


「ちょっと、今は見ないで。俺ダサい顔してる絶対」


「ふふっ、やっと照れてくれましたね?」


「最後の最後に負けた気がする」




先輩のためならなんだってできるんですよ?私。
先輩が私に自由をくれたから、偽らなくてもいいって教えてくれたから。ありのままの自分で先輩を好きになれたから。感謝することばっかり。そんな先輩が大好きで一生傍にいたい。

先輩はなにかとかっこつけたいみたいだけど、ちょっとダサい先輩だって拗ねてるときだって全部が大好きなんです。



「透先輩、私とずっと一緒にいてくださいね」


「何当たり前なこと言ってんの?俺が乙葉と離れるなんて嫌だよ」



今までの思い出も振り返るように深い深いキスをした。