その男性は"歌招き"横にある駐車場まで歩いて行き、わたしはそのあとを追う。
「あのぉ、一体何なんですか?!勝手に会計済ませて!まだ時間余ってたのに!」
わたしはグチグチと男性の背中に向かって言葉投げ掛けるが、その男性は振り向きもせず、ある1台の車のロックを解錠した。
黒いワゴン車、、、
これって、ヴェルファイアだっけ?
良い車乗ってるなぁ、、、
男性は運転席に乗り込もうとすると、わたしに向かって「そっちから乗って。」と言った。
「えっ?!どこに行くんですか?!」
「俺んち。」
「はぁ?!ちょっと、わたしそんな、、、!」
「あ、勘違いしないで。別にナンパじゃないし、やましい事は微塵も考えてないから。」
そう言って、運転席に乗り込む男性。
ナンパじゃない、やましい事もない。
良かった、、、
けど、微塵も考えてないなんて言われるなんて、わたし女としてどうなの?
複雑な気持ちのまま、わたしは助手席に乗り込んだ。
そしてシートベルトをすると、ハンドルを握る男性が「あんた、何歳?」と訊いてきた。
女性によくもまぁ、そんな簡単に年齢を訊きますこと。
「え、、、36だけど。」
わたしがそう答えると、その男性は「俺の4つ上か。」と言う。
4つ上?じゃあ、32歳ってこと?年下かい!



