「それで希沙をモデルにした曲を作った。それが"希跡"。この人は本当に歌が好きなんだなぁってのが、歌声から伝わってきたから、その思いを曲にしたかったんだ。だから、、、"希跡"は希沙の為の曲なんだ。」
「そうだったの?」
「何か、よく考えたら、俺って、、、ただの希沙のストーカーじゃね?」
そう言って笑う千景。
そんな千景の首に腕を回し、わたしは千景に抱きつくと「嬉しい、、、わたしの思いを千景が歌声から汲み取ってくれてたなんて。ありがとう。」と言った。
そして、わたしたちは頬を触れ合い、顔を寄せるとそっと唇を重ねた。
最初は短く。次第に長く、深く。
そのままベッドに倒れ、わたしたちは身体を重ねた。
「希沙、、、俺だけの女でいろよ?」
「千景って、意外と嫉妬深いんだね。」
「うるせー。」
そう言って、千景はわたしの唇を塞ぎ、わたしの奥深くで果てたのだった。
それから、わたしたちはビジネスパートナーでありながら、恋人関係にもなった。
カゲの曲の中でも特に人気のある"シャドウ4C"をわたしがカバーして歌ったMVは、カゲの動画再生回数の過去最高になり、より世間から注目を浴びるようになった。
メディアからは取材などの話が来ているようだが、千景は全て断っていた。
「まだ謎のままにしとく。希沙は、俺だけのものにしときたいから。」
千景はそう言うと、次の曲の歌詞を覚えている途中のわたしにキスをし、後ろから抱きしめてきた。
「この状態じゃ、歌詞カードが見れないんですけど?」
「今は、俺のことを見る時間。」
「もう。勝手なんだから。」
千景はわたしの首筋にキスをすると、そのままわたしを抱え、暗い寝室の中へとわたしを連れ込んだのだった。
―END―



