シャドウ4C


「ねぇ、千景?」

わたしがそう呼ぶと、突然わたしは宙に浮いた。

いや、千景にお姫様抱っこをされ、それから柔らかい、、、ベッドの上に下ろされていた。

「えっ?ここは?」
「俺のベッドの上。」

そう言って、千景はわたしに顔を寄せ、キスをしようとした。

「待って。」

そう言い、わたしが手のひらを千景の肩に触れると、千景は「何?」と言った。

「何でキスしようとしたの?」
「希沙に惚れてるから。」
「それは歌声の話でしょ?それに、俺に惚れるなって言ってたの誰だっけ?」
「俺は、希沙に惚れるなとは言われてない。」
「確かに言ってないけど、、、」

わたしがそう言うと、千景はわたしの頬に手を触れ、「俺は、、、希沙の歌声だけじゃない、その歌への思いとか、一生懸命なところとか、たまに照れる仕草とかにも惚れてる。」と言った。

そう言う千景は、今まで見てきた千景とは別人のように優しい柔らかい表情をしていた。

「俺さ、、、あの日が初めてじゃないんだ。希沙の歌声を聞いたの。」
「えっ?」
「毎週通ってただろ?希沙の歌声を初めて聞いた時は、衝撃だった。それから、また聴きたい。また聴きたい。って思うようになって、あのカラオケ屋に通うようになった。」
「でも、部屋が近くじゃないと聴こえないでしょ?」
「あのカラオケ店は1〜2名用の部屋が3部屋しかない。だから、1人で行けば自ずと近くの部屋になれる。」

千景はそう言うと、「俺も希沙のファンだったんだ。」と言い、恥ずかしそうに微笑んだ。