あたし、坂田美優。
高1です。
…と、自己紹介してみたけれど。
なんだか虚しく感じられる。
今は昼休み、みんなはグループになってお弁当を食べている。
教室を見回してみても…
ひとりぼっちは、あたしだけ。
家から遠い高校なんかに通ってしまったため、中学生からの友達が1人もいない。
普通は塾の受験友達なんかがいるんだろうけど、あたしは残念ながら家庭教師に習った。
それに加えて、この引っ込み思案で人見知りな性格のため、自分から動くことができないのだ。
そんな風に、ただぼーっと過ごしていた。
暖かさも、色も、全然無かった。
白い塗り絵ブックのような世界。
でも、5月の最後の週だっただろうか。
「ねぇ、いっつも1人だよね?一緒にお弁当食べよう!」
彼女は明るい声でそう呼びかけてくれた。
その子はよく知っている。
学年の中できっと1番有名だろう。
美叶芽亜利。
驚くほどまっすぐな髪とぱっちりした二重の目が特長的だ。
その上スタイル抜群、社交上手とあって始業式からみんなの目をひきつけて離さない…という噂。
そんな子だからきっと、あたしに声をかけたのなんてその社交辞令とやらの一種だろうと思っていた。
だからその時も曖昧な返事を返し、その場はしのいだ。
…でも。
最初はただの知り合い程度だと思っていたけれど。
あたしは芽亜利と異様なまでに気が合った。
高1です。
…と、自己紹介してみたけれど。
なんだか虚しく感じられる。
今は昼休み、みんなはグループになってお弁当を食べている。
教室を見回してみても…
ひとりぼっちは、あたしだけ。
家から遠い高校なんかに通ってしまったため、中学生からの友達が1人もいない。
普通は塾の受験友達なんかがいるんだろうけど、あたしは残念ながら家庭教師に習った。
それに加えて、この引っ込み思案で人見知りな性格のため、自分から動くことができないのだ。
そんな風に、ただぼーっと過ごしていた。
暖かさも、色も、全然無かった。
白い塗り絵ブックのような世界。
でも、5月の最後の週だっただろうか。
「ねぇ、いっつも1人だよね?一緒にお弁当食べよう!」
彼女は明るい声でそう呼びかけてくれた。
その子はよく知っている。
学年の中できっと1番有名だろう。
美叶芽亜利。
驚くほどまっすぐな髪とぱっちりした二重の目が特長的だ。
その上スタイル抜群、社交上手とあって始業式からみんなの目をひきつけて離さない…という噂。
そんな子だからきっと、あたしに声をかけたのなんてその社交辞令とやらの一種だろうと思っていた。
だからその時も曖昧な返事を返し、その場はしのいだ。
…でも。
最初はただの知り合い程度だと思っていたけれど。
あたしは芽亜利と異様なまでに気が合った。


