──貴方に伝えたかった、たった一言。

「指輪……?」

中に入っていたのは、指輪に、桜の花びらのような、綺麗な物がついたミンサー指輪だ。

「綺麗……」と思わず口に出てしまうほど、綺麗な指輪だった。

「……喜んでもらえた?」と不安そうに星が訊いてきた。

「すっごく嬉しい!ありがとう!」

顔をぱっ!と上げて満面の笑みで言った。

星は安心したのか、小さな声で「よかった~…」と言っていた。

「私も今度何かお返しするね!」

こんな幸せな生活が何十年と続いたらと思うと、私は嬉しくなった。

他愛もない会話をして、一緒にどこかに行って、一緒に同じ物を食べて、一緒に同じ格好をして……。

一緒に人生を歩めたらっていつも思う。

私はこの指輪を、大切にした。