──貴方に伝えたかった、たった一言。

「私……最低なこと……しちゃったの……」

最低なこと?

「あの子たちに、『樋目野って奴と絶交したらいじめ辞めてあげる』って言われたの……」

は?……なにそれ……。

「私……私……いじめられるのが嫌で……結構前からずっといじめられて……」

絶交……?

いじめ……?

「私バカだから……茜里に嫌なこと言って………勝手に絶交して……それでもいじめられた……」

真希………。

「私……バカだよね……」

私は深く息を吐いた。

「ほんと……バカだよ……そいつら……」

「……え?」と真希は呟いていた。

「真希はもう少し私に頼ってよ……親友なんだからさ……」

そう言って真希のおでこを軽く突いた。

「でも、そいつらほんとバカだよ…バカ…バカ…真希に手を出せば私がいるってのに……」

笑って言おうと思ったけど、苦笑いしか出来なかった。

「真希……次からはちゃんと頼ってね?わかった?」

真希は泣き崩れた。

涙が止まらない。

私はそっとしゃがんで真希を抱きしめた。

真希の背中をとんとんと、何度もゆっくり、優しく叩いた。