──貴方に伝えたかった、たった一言。

「今度真希をいじめたら絶対許さないから!」

口元に両手をあてて、逃げ去る三人に叫んだ。

急いで横たわっている真希に駆け寄る。

「真希!大丈夫?!」

顔も服も汚れてる……。

「真希?大丈夫?」

真希、大丈夫、この二つの単語しか出て来てなかったのは、よくわかっている。

「真希?真希?」

真希の目が少しずつ開いてきた。

「真希?わかる?私!あ、か、り!」

大きな声で真希に話しかける。

「あ……あか……り……?」

良かった……聞こえた……。

「なん……で……?」

真希の体を支えて、なんとか体を起こして、立って話す。

「真希をずっと塾のところで待ってたんだよ?」

そう言って真希の両肩に両手を優しく置く。

「どう……して……?」

「最近……私のこと避けてるように見えて……私が真希に酷いこと言っちゃったから……」

「違う……!」

その時真希の目が大きく開いた。

「違うって……なんで?」

目からずっと涙が溢れてる。

真希の瞳からも、涙が滲んでいた。