──貴方に伝えたかった、たった一言。

「……茜里だけが止ませることができるよ」

その瞬間。雨が少し止んだような気がした。

それどころか、太陽の光が少しだけ………ほんの少しだけ、黒く滲んだ雲を突き破ってそのまま海に差し込んだ。

「綺麗だね」とその光を指指しながら星に言った。

「そうだね」と星は微笑んで言った。

星を傘の中に入れて、二人でしばらくその一本の光を見続けた。

「………私頑張るよ」

「……うん……がんばれ……茜里……」

明けない雨はない。

止まない雨は存在しない。

どれほど綺麗で美しい言葉なのだろう……。

ずっと忘れない。

これからもずっと……ずっと……。

私は真希と話して……ちゃんと謝って……。

この最悪な雨を終わらせるんだ。

私は、星と、この海と、この雨に、私は強く誓った。