──貴方に伝えたかった、たった一言。

休みの日。

私は土砂降りの雨の中、傘も差さずに、公園の海に来ていた。

「…なんであんなこと言っちゃったんだろう…」

登校中にあった時も……。

話しかけようとした時も……。

弁当一緒に食べようとした時も……。

また三人で話そうとした時も……。

真希は……話してくれなった。

それに、いつも朝早くから学校にくるはずの真希が、最近ギリギリに登校していた。

それに、いつも顔色が悪かった。

絶対あの時私が、星に言った事が原因なんだ。

今まで真希への言葉遣いは一番気をつけて来た。

……でも、星と仲良くなって……。

浮かれてしまった私は……。

大切な親友すらも……。

粉々の塵にしてまうのか……。

真希と話せない学校なんて……。

真希がいない世界なんて……。

「………やだよぉ………」

砂浜に足を抱えて座り込み、両手で顔を塞いでそう呟いた。

自分が嫌い。自分が憎い。自分を恨みたい。

なんで私はいつもこうなんだろう……。

ごめんね……真希……。

その時、土砂降りの雨が私に当たらなくなった。

顔を上げると一本の傘が、雨から私を守ってくれた。

私はゆっくりと振り向いた。