──貴方に伝えたかった、たった一言。

「ほら。問題解いてるんでしょ?早くやりなよ」と私のノートを軽く指指しながら星は言った。

その声で私は、はっと我に返った。

席に座り、問題をもう一度見る。

えーと…星はなんて言ってたっけ…。

びっくりしすぎて頭が回らない。

頭がぐらぐらする。

「ほ~ら、ここをかけて、次にこことここを計算する。最後に移行するだけ」

「は…はい…」

星に教えられるまま問題を解いていった。

         ♢

「それにしても二人とも登校するの早かったね」

あ…バレた。

「いやいや!そんなことないよ~。あはははは」

必死に誤魔化そうとしたが

「いや…少なくとも茜里はちがうだろ。いっつも遅刻ギリギリだし」

う……痛いところを突かれた。

「そう思わない?水野さん」と丁度休憩していた真希に訊いた。

「たしかに…茜里は遅刻ギリギリが多いね。昔から」

星の奴……真希を味方につけよって……。

私はむすっと星を睨んだ。

私は少し話題を考えたくて、頭を悩ませた。

あ……そういえば……。