──貴方に伝えたかった、たった一言。

帰り道。

私と真希と天野くんで会場から出て、三人で歩く。

私を挟んで天野くんと真希が一緒に帰り道をゆっくりと進む。

空は夕暮れ時で綺麗だった。

「水野さん。最初のシュートよかったよ」

天野くんが一番最初に口を開いた。

それに続いて私も「あのシュートかっこ良かった!」と満面の笑みで言った。

「いやぁ…そんなことないよ~。天野くんの方が凄かったよ」

真希は少し恥ずかしそうに言った。

「天野くんの最初のシュートもよかった!どっちもかっこ良かったよ~」

そう言って二人の体を肘で同時に軽く突いた。

二人ともくすぐったそうにして笑った。

「でもここまで頑張れたのは茜里がいてくれたからだよ」と真希が言って私はびっくりした。

「いやぁ…私は別に何も…」と小さく言った。

「本当のことだよ」と天野くんが言った。

「俺も水野さんも……」と天野くんが口を止めた。

天野くんは少し黙り込んで声を出した。