──貴方に伝えたかった、たった一言。

『明後日の試合……実は俺の試合もあるんだ…』

え…それって…。

明後日の試合……天野くんもあるんだ…。

『来て…くれる…?』

あ…天野くんからのお誘い……。

断る理由はない!

『もっちろん!絶対行くよ!』

その日はとてもとてもルンルンだった。

最高の瞬間を思い出していたら順番が回って来た。

受付を済ませ、二階の観客席に行く前に選手待ち合わせの部屋まで早歩きでスタスタ歩いて行く。

二人とも何してるかな~。

廊下を歩いていると『女バス正憲高校』と書かれた扉を見つけた。

ノックをこんこんこんと鳴らして「失礼しまーす」とゆっくり開けながら入った。

「あ、茜里~!」

中に入るとたくさんの女子バスケ部の人がたくさんいた。

ユニフォーム姿の真希は可愛くて、かっこ良かった。

「おはよ~。ちゃんと起きれたよ~」と軽く手を上げ、目を少し擦った。

「見に来てくれてありがとう」と真希は私の手を両手で握った。

「じゃ!頑張ってね!」

もう一度手を振り、思いっきり扉を開けて、階段を駆け上がった。