──貴方に伝えたかった、たった一言。

でも……「最初に点入れた方の勝ちにしようぜ」という言葉が引っかかる。

たしかに1オン1で先に点を入れた方の勝ちにするというのはよくわかる。

でもそれは…天野くんの『色々な技をしてから』という得意なやり方が出来ない気がする…

「どうした終わった天才くん?抜けないんだろ?」

煽るようにうちだが天野くんに言う。

「お前が得意なのは、色んな技をしてから、普通のフェイントだろ?バレバレなんだよ~」

「うそ…」と口から言葉がこぼれた。

なんで…なんでわかるの?

疑問しか浮かばない。

「前世紀より動き鈍いし、お前にバスケはもう無理なんだよ!」

うちだがそう言うと一気に天野くんに詰めた。

お願い…お願い…。

「天野くん…勝って!」