──貴方に伝えたかった、たった一言。

「真希~!さっきのプレイ、すごくよかったよ!」

そう言いながら真希の背中に飛び込んだ。

「…びっくりした~…ありがとね。茜里」

宇宙人でも見たかのような顔をして真希は言ってくれた。

でも正直…今の自分が真希に何も出来てないという感情が心の奥底でひっついたように私から離れてくれない。

私がいる意味ってあるのかな…。

「樋目野」

いきなり呼ばれて私は真希から離れて声のする方に目を向ける。

「おまえ…今自分が水野さんに何もしてやれてなくて、そんな顔してるのか?わかりやすいぞ」

心にすごく刺さったような言葉を天野くんが投げ飛ばしてきた。

いつの間にか顔にしていたのか。

「樋目野は自分の事を過小評価し過ぎなんだよ」