──貴方に伝えたかった、たった一言。

とても綺麗だ…。

なんで今までこんなに綺麗な星たちを見てこなかったんだろう…。

そう思うくらい私は星と天野くんに圧倒された。

「俺…この二つの星が好きなんだ」

天野くんが口を開き、私は思わず顔を上げる。

「いつ見ても綺麗で…でもベガとアルタイル…織り姫と彦星は天の川があるこの夏にしか会えないんだ…」

天野くんは夜空を見つめながら私に話した。

「綺麗で切なくて、そんな二つの星が好きなんだ」

年に一度だけ…綺麗で切ない…。

少しだけ私の鼓動が大きくなったような気がした。

「私も…好きになった!」

「え?」と少し戸惑っている天野くんになり振り構わず私は口を開いた。

「星って今まで気にして来なかったけど、天野くんに教えてもらって、私も好きになった!」