──貴方に伝えたかった、たった一言。

「……綺麗……」と私は思わず口にしていた。

だって…そうなんだから。

綺麗としか言いようのないほど…綺麗な天の川だった。

私と天野くんの間に光続ける光の川。

無数に広がる星たち。

「散歩って言ったけど、本当はこの夜空を見て欲しかったんだ」

それで私にも知ってほしくて、私を連れて来たのか…

わけもわからず、ふふっと笑ってしまう。

「あ…そうだそうだ…良い物持って来たんだ」と言ってしゃがみ込み、下ろしたリュックをガサゴソといわせながら一つの大きな筒状の物を取り出した。