──貴方に伝えたかった、たった一言。

「こわい……」

こんなところ…天野くんに見られたくない…。

色んな音に敏感になってしまう。

蝉の音。風の音。風で揺れる木の葉の音。

カラスの鳴き声。街灯のぴかぴかする音

何もかもが怖かった。

小学校の嫌なあだ名を思い出すともっと怖くなった。

こんなところで人に会ったら、私死んじゃうかも…。

すると…土を踏みしめる足音が聞こえた。

「…え」

こんな夜中に、足…音…?

嫌だ…怖い…助けて…。

足音はどんどん大きくなっていく。

私は勢いよく崩れ、ベンチから下りて両膝を地面につける。

そして、両手で両耳を塞ぐ。

怖い…怖い…お願い…やめて…。

閉じている瞳から涙がぼろぼろ溢れる。

情けない…こんな自分が情けない。

暗闇なんかで怖がってるようじゃ…。

生きて行けない…。

そして突然。その足音は止まった。

ごめん…天野くん…。