──貴方に伝えたかった、たった一言。

「いいよーーー！！七月七日の午後十一時に迎えに来てね！！」

少し離れた天野くんに届くように口元に両手をあてて大声で言った。

「…わかったー！！ちゃんと迎えに行くよ！」と天野くんは振り向いて私に言ってくれた。

「わかった！ばいばい！」と大きく手を振りながら天野くんに笑って言った。

「ばいばい！」と天野くんは言ってすごいスピードで公園を出て行った。

「足…大丈夫かな…」

走って行く彼の背中をじっと見つめていたら、ふとそう思った。

「でも…今の天野くんなら、大丈夫か」

独り言が止まらない。自分でもわかっていた。

でも…この気持ちを心にしまって置くのはかわいそうだ。

だから…変に思われても…。

私はそう口にする。