──貴方に伝えたかった、たった一言。

「なるほどね～…俺がバスケを教える…か」

校門を出て昨日の公園に向かいながら、天野くんは後頭部に両手をあてながら空を見上げて言った。

「い…嫌なら全然いいんだよ…！足の事もあるし、思い出したく無いだろうし…」

私は目線を上げて、天野くんを見ながら早口で言った。

「いいよ。全然。…なんならやってみたかったし…そういうの」

天野くんは微笑んで私に言った。

「あ…ありがとう…私…運動音痴だけど、真希は大切な親友だし…助けてもらったし…だから…簡単に諦めるわけにはいかないから…」

目線を落として地面とにらめっこしながら私は独り言っぽく小さく言った。

「樋目野さんは友達思いだね」

天野くんが私にそう言った。

そんなの当たり前じゃん…だって…。

「親友…だもん…」

私は小さく呟いた。