──貴方に伝えたかった、たった一言。

「えー!すごいじゃん!茜里って結構やるじゃん!」

中庭のベンチで昨日のことと、今朝の事を真希に話したら真希は肘でつんつんしながら私に言ってくれた。

「’’結構’’は余計だよ~真希~」

照れながら真希にそう言った。

「人ってすごいねぇ…たったの二日でこんなに変わっちゃうなんて…」

真希はこくこく頷きながら呟いた。

「次は真希の番!何か悩み事とかある?」

真希の顔にぐっと近づき、真希の顔をじっと見つめる。

「そ…そうだなぁ…」

私から少し目を逸らし、しばらく黙りこんだ。

「その~…バスケの…練習したいんだよね…」

真希は頬を赤らめて言った。私はその質問に凄く、いい意味でびっくりした。

「バスケ?」

私は首を傾げて真希にもう一度聞く。

「実はこの前…バスケ部から一人大怪我しちゃって、試合で人数が足りないから…お誘いがあって…ある程度出来ないと行けないんだけど…」

真希は勉強は出来るが、運動の方は少しだけ苦手なのだ。

「それが…真希のお願いね!わかった!私も全力で協力するよ!」

右手でガッツポーズを作り、満面の笑みで真希に言った。

「ありがとう」と言って私の右手を優しく握る。

次は私が…真希を助ける番だ!