──貴方に伝えたかった、たった一言。

「すぽっ…」

綺麗なネットの音と共に、ボールは綺麗にリングをくぐった。

「やったー!一本目!」

喜んだ後天野くんが「次、二本目」と冷たく言った。

「よーし、もう一本!」

ボールを取りに行き、もう一度フリー何とかラインに立ち、同じタイミングで同じ方向にボールを放った。

「すぽっ…」

また美しくボールはリングをくぐった。

「やったー!二本目!私ってセンスある?!」

さすがに驚いたのか天野くんも驚きを隠せずにいた。

「三本目…三本目」

そう言いながらまたここに立つ、さっきと同じようにボールを放った。

ボールはリングでワンバウンドし、また入った。

「やったやった!三本目!」

そう言って天野くんめがけてダブルピースした。

「…ほんとに…初心者か?」と疑い始めた。

「ふふ~ん。私は根っからの初心者だよ?」

にやにやしながら天野くんに言った。

「さ~て!四本目!」

次も絶対に…うまく行く!

そう思ってボールを放った。