──貴方に伝えたかった、たった一言。

「はぁ…はぁ…間に合った…」

肩からずるりと落ちそうなバックをぐっとあげ、校門をくぐる。

言うほど時間は経っておらず、時間には少し余裕があった。

桜が宙にひらひらと舞っている。

今日は四月七日。

近くには綺麗な桜の木がそびえ立っていた。

「綺麗…」と思わず口に出す。

しばらく歩くと人がたくさんいるのに気づいた。

少し近づくと何かが立っていた。

靴箱前に置かれた張りぼてっぽい壁には『クラス表』と書かれた紙が六枚ほど貼られていた。

それでたくさんの生徒がガヤガヤしていたのかと理解する。

人混みを避け、自分の名前を探す。

「あっ!あった」

私は二組になった。

他に誰か知り合いいるかな~。

あっ!真希いる!これで高校生活はとりあえず、安泰だ。

ほっと一息つく。

「えっと…俺は二組か…」

不意に左から声がした。

背が高かったので少し目線を上げて、その人を見る。

……かっこいい……

その単語が、ふと頭を過った。