──貴方に伝えたかった、たった一言。

「いやいや!何謝ってるの?!全っ然ありがたい!ていうかありがとう!」

真希はほっとした表情で「ありがとう」と言った。

やっぱりバスケに秘密があるのか。

「よし!今日そのバスケットボールクラブとやらに行ってくる!」

勢いよく立ち上がりガッツポーズをした。

「私は今日用事で、一緒には行けないけど茜里のためなら何でもするよ」

真希が私のために尽くしてくれてる。なら…。

「私も!真希に何かあったら私に言ってね!そしたら、次は私が助けるから!」

真希の手を強く握って、真希に力強く言った。

私だけ助けてもらって、真希に何もしないのは流石に申しわけなさすぎる。

「うん…ありがとう」と真希は笑みを浮かべた。

そして私たちは自分たちの教室に戻った。

         ♢

放課後になって急いで帰ろうと思ったのに、先生に何故か呼ばれて居残りされ、居残りが終わった途端、私は靴箱まで走った。

「バン…バン…」という音に私は足を止めた。

何の音だろう?

「バン…バン…」とまた聞こえた。

きっと体育館で誰かがバスケットボールをしてる。

もしかして…と思い私は体育館に走った。