──貴方に伝えたかった、たった一言。

「ねぇ!どこ回る?」

満面の笑みで天野くんに喋った。

「別に…どこでもいいだろ…」

目線を逸らして天野くんは言った。

やっぱ…怒ってるのかな…。

太陽ほ雲に隠れて、見えない…。

私は天野くんの方を向いて立ち止まった。

「ねぇ…その…」と口を開く。

私が喋っていることに気づき、天野くんは足を止める。

「謝り…たくて…」

私は少し目線を下げる。

「は?なんで?」とふいに天野くんはそう答えた。

「私…さ…人に嫌われがちなのに、ぐいぐい行っちゃうタイプだから…天野くんのこと…傷つけてるのかな…って…」

私は昔から人の嫌なところまで入ってしまう癖があって、よく人に嫌われた。

きっと…天野くんにもそれをしちゃってたんだ…。

「…謝んなよ…」と天野くんは呟いた。

「…え?」と思わず声を上げて、目線を彼に合わせる。

「俺が……ちょっと……いや……たくさん冷たい態度とってた…」

天野くんの声がいつもより少し高い…。

「だから…自分のこと…そんな風に思うなよ…」

風が、桜が、世界が、私達を包み込んでいるような気がした。

「…ごめん……俺が……悪かった……」

その瞬間…太陽の光が私たちにさっきよりも強く綺麗に私達を照らした気がした。

「…行きたい所があるんだけど…いい?」

天野くんは私をまっすぐ見て言った。

「…うん!いいよ!」

満面の笑みを浮かべて言って彼について行った。

天野くんが行きたいところならどこえでも、ついて行く。