──貴方に伝えたかった、たった一言。

一週間後…。

最近あまり良く眠れず…。

頭に入ってこない授業の中…。

私はふとこの一週間を思い返す。

体育のイケメンシーンからそれっきり、全く進展が無かった。

LINEをしようにも、天野くんはクラスLINEに入ってないらしく、友達追加出来ずにいる。

「はぁ…」

授業中なのに思わずため息を吐いてしまった。

「それでは今から隣の人とペアを組み、学校を見て回り、学校の物や植物など、気になったものをスケッチブックに書いてきて下さい」

私の眠気は吹っ飛んだ。

予想外の展開がやってきた。

遂に二人っきりで校内を回れるチャンス到来!

「それでは行ってらっしゃ~い」

先生がアトラクションの案内人みたいに手を振って見送った。と同時に全員が教室から出て、靴を履き替えて外に出た。