──貴方に伝えたかった、たった一言。

「………星………」

今日……初めて『星』と言ったような気がする…。

「星の今までがあるから、今までの私がいるんだよ……」

私は望遠鏡をそのままにして、波打ち際まで、足を運んだ。

「私と星は、ここで『永遠の愛』を誓って……指輪は私が二つつけてるけど……星がいてくれたからここまで頑張れたんだよ」

小さな声でも、星は気づいてくれる。

「ねぇ……星……」

「今星がいる場所は、穏やかで、綺麗で、苦しみのない場所ですか?」

「私は、星がそんな場所にいてくれてると思うだけで、私は進んで行ける」

「あの日から、私達の道は、交わることのないまま、八年が経ったけど……」

「七月七日の……ここに来れば……貴方に会える……」

「声も……笑顔も……何も見えないけど……」

「指輪を通して……ベガと、アルタイルと、天の川を、見ることで……星がそこにいるって思える……」