──貴方に伝えたかった、たった一言。

「そんで?いま日本で大注目中の画家がどうしてこんなところに来たのかな?」と叶さんはにやにやしながら頬杖をついて言った。

「と…とりあえず、ざるうどん一つ」

ご飯を食べに来たのに、食べなかったら意味がない。

「あいよ。すぐ作るよ」と叶さんは笑って厨房に消えて言った。

ここも静かでいいな……。

まだ午後十一時まで時間あるし、叶さんとのんびり話をしとこう。

そんなことを考えていると、「はい。ざるうどんだよ」とざるうどんを出してくれた。

「いただきまーす!」

私はうどんをつゆにつけ、幼児のように、勢いよくうどんをすすった。

「わぁぁ…やっぱり叶さんのざるうどんは、さいっこうです!ぽっぺた落ちそう~」

「そうかい!そうかい!」と叶さんは大きく笑った。

それから叶さんとたくさん話をした。

「で?結局なんで帰ってきたの?」と私の左のカウンター席に叶さんは、腰を掛けた。