──貴方に伝えたかった、たった一言。

「かっこよかったな~」

女子は休憩に入り、壁に背中を付け、膝を抱えて座りながらそう呟いた。

ふふっと真希は笑い「ほんとに一途ね」と私に言う。

「ヒロインを危険から守るヒーローみたいだったよ~」

ほんとにヒーローみたいで素敵だった。

まさかあんなアクシデントに遭うとは……最高だった。

「いつからヒロインになったの?」

真希がにやにやしながら言ってきて、思わず吹き出しそうになってしまった。

「た…例えだってばー!」

頬を赤くしながら真希に言った。

「でも実際の所、そんな事考えてたでしょ」

ふいにそんな事を真希がにやっと笑って言ってきた。

「ま…まぁ…少しは?思ってたりしちゃって?」

この思いはなんなんのだろう……。

天野くんを見つけたらすぐに目がそっちを向いてしまう。

これが本当に何なのかはわからなかった。