──貴方に伝えたかった、たった一言。

「星ーーーー!!!!」

口元に手を当てて、私は名前を叫んだ。

「私は……私は……貴方のことが!」

次はちゃんと言うよ。

沈みかけている茜色に輝く太陽に誓って。

黄金色に輝く海に誓って。

うっすらと見えるベガとアルタイルに誓って。

あの時の桜に誓って。

そして、この二つの指輪に誓って。

「……私も貴方のことが!」

言うのが遅れてごめん。

今、遥か彼方先の川の向こう側にいる貴方に言うね。

「好きだよ!!!!」

貴方に聞こえるように大きな声で言ったよ。

届くか分からないけど……。

いや……絶対に届いて……!

「私の!!愛する人に!!」

その瞬間。

二つの指輪の桜と星が光ったように見えた。

空を見上げると、ベガとアルタイルがさっきよりも輝いて見えた。

「届いたんだね……星……」

愛する人が……星が、あの天の川の向こう側にいる、私はそう感じた。