──貴方に伝えたかった、たった一言。

『’’愛する人への変わらぬ気持ち’’なんだって』

え……それって……。

『茜里。こんな形にはなってしまったけど、いつかちゃんと言うよ』

星……もしかして……。

『茜里。好きだ』

「……な…んで……どう…して……?」

なんとなく予想はしていた。

でも……今回ばっかりは、外れてほしかったと思う自分もいた。

だってもう……星とは会えないんだ……。

こんな出来損ないを、ここまで愛してくれる人が、もうこの世にいないなんて……。

世界は……この世は……神様は……。

「理不尽すぎるよぉ……」

涙が止まらなかった。

『暗闇にいた俺を助けてくれてありがとう。茜里は俺にとって、希望の光だったよ』

星………。

『その光が絶える事なく、元気に生きててくれ』

待って……行かないで……。

『またね。茜里』

「もう……’’またね’’じゃないじゃん……」

ここで動画は終わってしまった。

動画の最後には日付が浮かび上がってきた。

二千二十三年。七月七日。午後四時。

と右下に映っていた。

私はスマホを置いて、立ち上がった。

葬儀に履いてきた黒い靴を脱いで、靴下も脱いだ。

さらさらの砂を足で踏みしめ、足の膝をまで、海に浸かった。