──貴方に伝えたかった、たった一言。

「星らしいな……」

私はキャンバスと手紙を白い袋に戻した。

こんな形で、この絵を受け取るなんて……。

次が最後か……。

星が残してくれたら動画だ。

これを見終わったら、もう星の声は聞けなくなる。

星の声だとしても、動画だから何度も見れるけど、そうじゃない……。

これを聞いてたら、星の声は聞けなくなる……

それでも……見るんだ……。

星のためにも……。

私は星にあげた星のミンサー指輪を、今薬指にはめている桜のミンサー指輪と同じ薬指にはめた。

「これが最後だ……」

私は恐る恐る再生ボタンを押した。

         ♢

『おはよう茜里。それともこんにちは?こんばんは?まぁいっか』

あぁ……星だ……星がいる。

『今日は茜里に言いたいことがあるんだ』

「なに?」と小さく、いつものように訊いてみた。

『俺があげた桜のミンサー指輪。覚えてる?』

「忘れるわけないじゃん……」

『あのミンサー指輪にはね、一つ特別な意味があるんだ』

「特別な……意味?」

『その特別な意味はね……』