──貴方に伝えたかった、たった一言。

懐かしいな……。

私は膝を抱えて、さらさらな砂の上でじっと海と夕日を眺めた。

数日前に来たけど、今でも鮮明に覚えてる。

二人で見たあの茜空。

二人で見た天の川。

その天の川の左右にいるベガとアルタイル。

「綺麗だね……」ともういない星に届かぬ声で言った。

そろそろ私は真由美さんから貰った物を見たいと思う。

ここなら、きっと星も見てくれてるばず。 

私はまず封筒の中が気になってので、丁寧に開けて中を覗く。

二枚くらい紙が入っている……。

学校のプリントくらいの大きさの紙を、封筒の中から取り出した。

「うそ……これって……」

一年前を思い出す。

星と二人で一緒に桜の木を見たあの時だ。

あの時星は、私に自分の描いたスケッチブックを見せてくれなかった。

その絵に写っているのは……。

「……私……?」

見覚えのある桜の木と、その桜の木を見上げる後ろ姿の長い髪の女性がいた。