──貴方に伝えたかった、たった一言。

「天野くん……私は天野くんと過ごして、すごく楽しかったよ……」

真希は一度大きく息を吸った。

「天野くんがバスケを教えてくれたおかげで……バスケの楽しさと、勝った時の感動を教えてくれた。天野くんがいたから、私は今バスケ部にいるよ」

真希は溢れて出てくる涙を拭き取りながら言った。

「天野くんと茜里が助けてくれなかったら……今私は、私のままでいられる……」

私の名前が出てきて、反射的に指がピクッと動いてしまった。

「本当に……本当に……本当にありがとう……」

真希はそう言って、後ろに下がった。

真っ直ぐ私のところに向かってきて、勢いよく抱きつかれた。

私は真希の背中をさすりながら、「よく言えたね」と笑って言った。

「じゃ…言ってくるね」と真希から離れて私は言った。

一歩一歩が重かった。

みんなの涙を少しでも見るだけで、星とはもう会えないっていう現実がのしかかってくる。

私は星の前で止まった。