──貴方に伝えたかった、たった一言。

「なぁ……天野。お前はいつも俺の上を行ったよな」と内田くんは悔しそうに喋っていた。

「お前は突然中学の頃、バスケのクラブチームに来たよな……普通フェイントなのにすげぇ速えし、パス回しも早くて、俺はチームのリーダーだったのに、いつの間にかお前がリーダーになってて……俺は悔しかったよ……」

内田くんは大きく息を吸った。

「その時はさ……ウザいとか、キモいとか思ってたけどさ……お前とたくさん過ごして、こんなにいい奴でバスケも上手いのに、なんで恨んでたんだろうって……」

内田くんが涙を堪えながら、言っているのが信じられないほど伝わって来た。

「お前と……天野ともっと早く会えてたらって今は思ってるよ……」

「今までごめん!そんで!ありがとう!」と内田くん言って、部屋の隅の方で座りこんでしまった。

そんな内田くんを岡野さんは優しく頭を撫でた。

「私……行くね……」と真希が小さく言った。