──貴方に伝えたかった、たった一言。

「…………せ…………い…………?」

目の前の道路の真ん中で血だらけで横たわっていた。

「……せい……星!!」

私は星の名前を大きく叫んで、星の頭を優しく抱えた。

「星!大丈夫?!星!」

出せるだけの大きな声を出しているが、星はピクリと動かない。

「お願い星……目を開けて……お願い……」

その瞬間、星が目を弱々しく開いた。

「あ……かり……」

喋った……意識はまだある……。

「今救急車来てるからもう少し頑張って!」と星に言うが。

「あか……り……けっ……こう……やばいん……だ……」と星は空を見上げた。

「だめ!絶対だめ!お願い!生きて……」

涙が止まらない……。

なんでこうなっちゃうの……。

星が何したっての……。

「あか……り……きょうは……なん……で……俺を……よんだの」とまた目を合わせてくれた。

「言いたいことがあるの!だから生きて!」

「ごめ……ん……いま……いって……ほしい……な……」と星が私の手を握って伝えてくれた。

言わないと……言わないと……!

「星……私は……私は!……貴方のことが……!」

言おうした瞬間に星は私から手を離し、目を閉じてしまった。

「せ…い……星……?星!!」

その後ずっと名前を呼んだが、彼が起きることはなかった。